瞼の裏に住む彼

どこかに向かって歩いている時、ふと目を閉じると暗闇の中輝く彼がいる。

彼はなんでも出来て、背中が大きくて、そして泥の似合うスーパーマンだ。

その後ろ姿が眩しすぎるおかけで目を開けて進むことができる。

暗闇の中、だんだん陰り、まるで壊れたテレビのようにノイズが酷くなる彼に並ぼうと、全力で。

彼が消えてしまう前に、走り切るんだ。

私には今しかないのだ。